転移性メラノーマに対する免疫療法は有用か?
遠隔転移のある悪性黒色腫に対してインターロイキン-2+インターフェロンα-2b+ステロイドによる免疫療法は、従来の治療法であるダカルバジン® (DTIC)より中央値で40日生存期間を延長させたものの有意な差には至らなかったことがAnnals of Oncology誌10月号に掲載された。この結果は8月20日付けのオンライン版にて速報されている。
対象
stageⅣ 悪性黒色腫 241例
比較
1) HDC/IL-2/IFN療法 4週サイクル
l インターフェロン(IFN)α-2b 3 MIU 皮下注射 1回/日 7日間
l インターロイキン-2(IL-2) 2.4 MIU/m2 皮下注射 2回/日 5日間
l ハイドロコートン®(HDC) 1mg 皮下注射 2回/日 5日間
2) ダカルバジン®(DTIC) 850mg/m2 静注 3週ごと
試験デザイン
無作為化比較試験
結果
l 生存期間は両治療間で有意差なし
HDC/IL-2/IFN療法 271日vs ダカルバジン® 231日
l grade4の有害事象
HDC/IL-2/IFN療法 4例vs ダカルバジン® 9例
Annals of Oncology 2007 18:1691-1697
[私説]
遠隔転移例の生存期間(中央値)は約9ヵ月と言われている。ダカルバジン®単剤投与されるほか、わが国ではエンドキサン®、インターフェロン-β(フエロン®、IFNβモチダ®)が悪性黒色腫の保険適応を取得している。しかし、現在のところ、生存期間を延長させる治療法はない。HDC/IL-2/IFNによる免疫療法もダカルバジン®単剤治療より中央値で40日生存期間を延長させたものの有意な差ではなかった。
今年9月に開催された欧州がん学会(ECCO)では、ダカルバジン®とマルチキナーゼ阻害剤ネクサバール®の併用によって、ダカルバジン®単剤治療より進行悪性黒色腫(stageⅢ-Ⅳ)の増悪までの期間を有意に延長したことが発表された。しかし、生存期間に関しては有意な延長を認めず、より大規模な試験による結果が期待されている。
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