2007年10月18日 (木)

転移性メラノーマに対する免疫療法は有用か?

遠隔転移のある悪性黒色腫に対してインターロイキン-2+インターフェロンα-2b+ステロイドによる免疫療法は、従来の治療法であるダカルバジン® (DTIC)より中央値で40日生存期間を延長させたものの有意な差には至らなかったことがAnnals of Oncology10月号に掲載された。この結果は820日付けのオンライン版にて速報されている。

対象

stageⅣ 悪性黒色腫 241

比較

1)  HDC/IL-2/IFN療法 4週サイクル

l  インターフェロン(IFN)α-2b 3 MIU 皮下注射 1/ 7日間

l  インターロイキン-2(IL-2) 2.4 MIU/m2 皮下注射 2/ 5日間

l  ハイドロコートン®(HDC) 1mg 皮下注射 2/ 5日間

2)        ダカルバジン®(DTIC) 850mg/m2 静注 3週ごと

試験デザイン

無作為化比較試験

結果

l  生存期間は両治療間で有意差なし

HDC/IL-2/IFN療法 271vs ダカルバジン® 231

l  grade4の有害事象

HDC/IL-2/IFN療法 4vs ダカルバジン® 9

Annals of Oncology 2007 18:1691-1697

[私説]

遠隔転移例の生存期間(中央値)は約9ヵ月と言われている。ダカルバジン®単剤投与されるほか、わが国ではエンドキサン®、インターフェロン-β(フエロン®IFNβモチダ®)が悪性黒色腫の保険適応を取得している。しかし、現在のところ、生存期間を延長させる治療法はない。HDC/IL-2/IFNによる免疫療法もダカルバジン®単剤治療より中央値で40日生存期間を延長させたものの有意な差ではなかった。

今年9月に開催された欧州がん学会(ECCO)では、ダカルバジン®とマルチキナーゼ阻害剤ネクサバール®の併用によって、ダカルバジン®単剤治療より進行悪性黒色腫(stage-)の増悪までの期間を有意に延長したことが発表された。しかし、生存期間に関しては有意な延長を認めず、より大規模な試験による結果が期待されている。

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