2008年4月20日 (日)

乳がんの術前補助化学療法でTACがダメなら早々にナベルビン+ゼローダに切り替えた方が良い

乳がんの術前補助化学療法としてTAC2サイクル実施して効果が得られなかった場合、そのままTACを継続するよりナベルビン®+ゼローダ®に切り替える方が奏効率の有意な改善が期待できることが48日付けのJournal of National Cancer Institute誌オンライン速報版にて発表された。

対象

TACレジメン2サイクルが無効であった乳がん(ネオアジュバント) 622

GeparTrio試験に参加した2,090名のうち、TACレジメン2サイクルを実施し、反応しなかった例(29.8%)

比較

1)      NX 4サイクル (n=301)

2)      TAC 4サイクル (n=321)

NXレジメン

l  ナベルビン®25mg/m2

l  ゼローダ®2,000mg/m2

TAC3週間1サイクル)

l  タキソテール® 75mg/m2

l  アドリアシン® 50mg/m2

l  エンドキサン® 500mg/m2

試験デザイン

無作為化比較試験、第III相試験

試験名:GeparTrio Study

一次評価項目:超音波検査による奏効率

結果

l  超音波検査による奏効率

Ø  NX51.2% vs TAC50.5%(95%信頼区間:-7.1%8.5%)p=0.008

l  乳房温存術施行率

Ø  NX59.8% vs TAC57.3%

l  病理学的完全奏効率

Ø  NX6.0% vs TAC5.3%

l  TACレジメンで多かった有害事象

Ø  血液毒性、口腔粘膜炎、感染症、爪変形

l  NXレジメンで多かった有害事象

Ø  手足症候群、感覚神経障害

 

J Natl Cancer Inst.2008 Apr 8

 

 

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2008年4月19日 (土)

乳がんの術前補助う療法としてのTACは6サイクルで十分

乳がんの術前補助化学療法としてTAC6サイクルで十分であり、8サイクルする必要がないことが48日付けのJournal of National Cancer Institute誌オンライン速報版にて発表された。

対象

未治療乳がん 1,390

GeparTrio試験に参加した2,090名のうち、TACレジメン2サイクルを実施し、反応した例(66.5%)

比較

1)      TAC 6サイクル 704

2)      TAC 8サイクル 686

TAC2サイクル後、TAC4サイクル群とTAC6サイクル群に無作為割り付け

TAC3週間1サイクル)

l   タキソテール® 75mg/m2

l   アドリアシン® 50mg/m2

l   エンドキサン® 500mg/m2

試験デザイン

無作為化比較試験、第III相試験

試験名:GeparTrio Study

一次評価項目:病理学的完全奏効率(pCR)

結果

l  病理学的完全奏効率(一次評価項目)

Ø  6サイクル:21.0% vs 8サイクル:23.5%
95%
信頼区間:-1.8%6.8%p=0.27

l  臨床的完全奏効率

Ø  6サイクル:48.2% vs 8サイクル:52.9%
95%
信頼区間:-0.55%9.95%p=0.08

l  超音波検査的奏効率

Ø  6サイクル:48.2% vs 8サイクル:22.6%
95%
信頼区間:0.45%9.55%p=0.003

l  乳房温存術施行率

Ø  6サイクル:67.5% vs 8サイクル:68.5%p=0.68

l  8サイクルで多かった有害事象

Ø  grade3-4白血球減少症、grade3-4浮腫、各種grade1-2の有害事象

 

J Natl Cancer Inst.2008 Apr 8

 

 

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2008年4月18日 (金)

乳がんの術後補助療法のベストレジメンは「AC→Weeklyタキソール」

腋窩リンパ節転移陽性乳がんにおいて術後補助療法としてAC療法後、タキサン系製剤の投与として、無病生存率を最も改善させるレジメンは「タキソール®毎週投与」であることがNew England Journal of Medicine417日号に発表された。

この試験では、無病生存率に関して、(1)タキソール®毎週投与、(2)タキソテール®毎週投与、(3)タキソテール® 3週間ごと投与についてタキソール® 3週間ごと投与と無作為化比較している。

その結果、タキソール®毎週投与とタキソテール®3週間ごと投与が有意に無病生存期間を改善させたことが示され、タキソール®毎週投与に至っては全生存存率も有意に改善させた。

対象

腋窩リンパ節陽性乳がん(術後補助療法) 4,950

比較

術後補助療法として、アドリアシン®+エンドキサン®3週毎投与、これを4サイクル実施した後、下記の治療レジメンを実施

1)      タキソール®毎週投与

2)      タキソール®3週毎投与

3)      タキソテール®毎週投与

4)      タキソテール®3週毎投与

試験デザイン

無作為化比較試験

結果

q  5年無病生存率

Ø  タキソール®毎週投与:81.5%、オッズ比(vsタキソール®3週毎投与)1.27(95%信頼区間:1.03-1.57)p=0.006

Ø  タキソール®3週毎投与:76.9%

Ø  タキソテール®毎週投与:77.6%、オッズ比(vsタキソール®3週毎投与)1.09(95%信頼区間:0.89-1.4)p=0.29

Ø  タキソテール®3週毎投与:81.2%、オッズ比(vsタキソール®3週毎投与)1.23(95%信頼区間:1.00-1.52)p=0.02

q  5年全生存率

Ø  タキソール®毎週投与:89.7%、オッズ比(vsタキソール®3週毎投与)1.32(95%信頼区間:1.02-1.72)p=0.01

Ø  タキソール®3週毎投与:86.5%

Ø  タキソテール®毎週投与:86.2%、オッズ比(vsタキソール®3週毎投与)1.02(95%信頼区間:0.80-1.32)p=0.80

Ø  タキソテール®3週毎投与:87.3%、オッズ比(vsタキソール®3週毎投与)1.13(95%信頼区間:0.88-1.46)p=0.25

q  有害事象

l  grade3または4

Ø  タキソール®毎週投与:8% vs タキソール®3週毎投与:5% vs タキソテール®毎週投与:6% vs タキソテール®3週毎投与:4%

l  grade23または4

Ø  タキソール®毎週投与:27% vs タキソール®3週毎投与:20% vs タキソテール®毎週投与:16% vs タキソテール®3週毎投与:16%

l  好中球減少症

Ø  タキソール®毎週投与:2% vs タキソール®3週毎投与:4% vs タキソテール®毎週投与:3% vs タキソテール®3週毎投与:46%

l  発熱性好中球減少症

Ø  タキソール®毎週投与:1% vs タキソール®3週毎投与:1%未満 vs タキソテール®毎週投与:1% vs タキソテール®3週毎投与:16%

l  感染症

Ø  タキソール®毎週投与:3% vs タキソール®3週毎投与:3% vs タキソテール®毎週投与:4% vs タキテソール®3週毎投与:13%

l  疲労

Ø  タキソール®毎週投与:3% vs タキソール®3週毎投与:2% vs タキソテール®毎週投与:11% vs タキソテール®3週毎投与:9%

 

N Engl J Med 2008;358:1663-1671

 

 

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2008年4月 1日 (火)

【再掲】転移性乳がんにはタキソール3週毎投与よりWeekly投与を選択せよ

転移性乳がんに対するタキソール® Weekly投与は、タキソール® 3週毎投与より奏効率、治療効果持続期間、全生存期間について有意に優れていることが、Journal of Clinical Oncology41日号に発表された。

対象

転移性乳がん

比較

1)      タキソール® 175mg/m2 3週毎投与

2)      タキソール® 80mg/m2 Weekly投与

試験デザイン

無作為化比較試験、第III相試験

試験名:CALGB プロトコール9840

結果

l  奏効率

Ø  Weeklyタキソール®42% vs 3週毎タキソール®29%、オッズ比:1.75p=0.0004

l  治療効果持続期間

Ø  Weeklyタキソール®9ヵ月 vs 3週毎タキソール®5ヵ月、ハザード比:1.43p<0.0001

l  全生存期間

Ø  Weeklyタキソール®24ヵ月 vs 3週毎タキソール®12ヵ月、ハザード比:1.28p=0.0092

l  grade3以上の神経障害

Ø  Weeklyタキソール®24% vs 3週毎タキソール®12%p=0.0003

 

J Clin Oncol.2008;26:1642-1649

 

 

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2008年3月22日 (土)

乳房温存術後の放射線療法は50Gyより40Gyの方が5年死亡率が減少する

これまで早期乳がんにおける乳房温存術後の乳房照射として全乳房に対して1回線量1.82.0Gy、総線量4550.4Gy4.55.5週の照射が推奨されてきたが、1回線量2.65Gy、総線量40Gy3週の照射が、1回線量2.0Gy、総線量50Gy5週の照射より良好な成績を得られたことが319日付けのLancet誌オンライン速報版に発表された。

対象

手術療法(乳房温存術:92%)を施行した早期乳がん(pT1-3apN1-0M0) 2,215

比較

1)      40Gy群:術後1回線量2.65Gy×15回、総線量40Gy3週照射

2)      50Gy群:術後1回線量2.0Gy×25回、総線量50Gy5週の照射

試験デザイン

無作為化比較試験

試験名:START

結果

l  追跡期間:6.0(中央値)

l  5年局所領域再発率

Ø  40Gy群:2.2% vs 50Gy群:3.3%

Ø  絶対差 -0.7%(95%信頼区間:-1.70.9)

Ø  ハザード比:0.7995%信頼区間:0.48-1.29)、p=0.35

l  5年局所再発率

Ø  40Gy群:2.0% vs 50Gy群:3.3%

Ø  ハザード比:0.7295%信頼区間:0.43-1.21)、p=0.21

l  5年遠隔再発率

Ø  40Gy群:7.6% vs 50Gy群:10.2%

Ø  ハザード比:0.6995%信頼区間:0.53-0.91)、p=0.01

l  5年乳がん関連イベント発生率

Ø  40Gy群:10.6% vs 50Gy群:14.1%

Ø  ハザード比:0.7595%信頼区間:0.60-0.95)、p=0.02

l  5年死亡率

Ø  40Gy群:8.0% vs 50Gy群:11.0%

Ø  ハザード比:0.7695%信頼区間:0.59-0.98)、p=0.03

 

The Lancet Early Online Publication, 19 March 2008

 

 

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2008年3月18日 (火)

乳がん術後補助療法としてアロマシンをタモキシフェン5年投与終了後に追加する

200310月、タモキシフェン5年投与終了後のフェマーラ®によるextended adjuvant therapyの有用性が認められ(MA.17試験)、その発表後、アロマシン®によるextended adjuvant therapyの有用性を検証するB-33試験への追加登録が倫理的な理由により終了した。

このB-33試験後に非盲検試験として継続された結果が、310日付けのJournal of Clinical Oncology誌オンライン速報版にて発表された。アロマシン®の投与により全生存率は改善しなかったが、無再発生存率は有意に改善した。

B-33試験の登録終了時、予定された約半数の患者(1,589例)が登録され、非盲検下で試験が行われた。プラセボ群の全患者にアロマシン®が提案され、そのうち44%の患者がアロマシン®への切り替えを希望した。またアロマシン®投与群の72%は試験を継続した。

対象

ホルモン陽性閉経後早期乳がん(T1-3N1M0) 1,598

比較

1)      アロマシン®

2)      プラセボ

試験デザイン

無作為化比較試験、二重盲検比較試験(症例登録終了後に非盲検試験)

試験名:B-33試験

結果

l  無病生存率

Ø  91%(アロマシン®) vs 89%(プラセボ群)、相対危険度:0.68p=0.07

l  無再発生存率

Ø  96%(アロマシン®) vs 94%(プラセボ群)、相対危険度:0.44p=0.004

l  アロマシン®により生じた有害事象は、術後補助療法として容認される範囲のものであった

 

JCO Early Release, published online ahead of print Mar 10 2008

 

 

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2008年3月17日 (月)

年齢に関係なくタモキシフェン投与終了後にフェマーラの投与を選択せよ

乳がんの術後補助療法においてタモキシフェン5年投与終了後に、続いてフェマーラ®を投与するいわゆるextended adjuvant therapyは年齢に関係なく、高齢者にも有用であることが310日付けのJournal of Clinical Oncology誌オンライン速報版に発表された。

対象

術後補助療法としてタモキシフェン5年投与が終了した早期乳がん 5,169

l  60歳未満(n=2,152

l  60-69歳(n=1,694

l  70歳以上(n=1,323

比較

1)      フェマーラ®

2)      プラセボ

試験デザイン

無作為化比較試験(患者層別解析)

試験名:MA-17試験

結果

l  4年無病生存率

l  60歳未満にのみフェマーラ®投与によって有意に改善(ハザード比:0.46p=0.0004

l  年齢と治療効果の相関はみられず、どの年齢層においてもフェマーラ®の同程度の効果が認められた

l  70歳以上の高齢者において24ヵ月後の毒性およびQOLはフェマーラ®とプラセボの間で差はみられなかった

 

JCO Early Release, published online ahead of print Mar 10 2008

 

高齢者におけるフェマーラの有用性

最近、高齢者に対する術後補助療法としてのフェマーラ®の有用性がこのextended adjuvant therapyだけでなく、いくつか報告されているのでここにまとめてみる。

まず、同じ310日のJCO Early Releaseに術後補助療法におけるフェマーラ®のタモキシフェンに対する優位性が年齢に関係なく認められるというBIG1-98試験のサブ解析結果が発表された(→)。

212日にはextended adjuvant therapyの優位性を示したMA-17試験における乳がん患者さんの死因について解析した結果、70歳以上の高齢者では72%の死因が乳がん以外であることが判明した(→)。

 

 

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2008年3月16日 (日)

新しい放射線療法の技術は、乳がんにおいて照射による水ぶくれの発現を低下させる

乳がんの術後補助療法としての強度変調放射線療法は、従来の放射線療法に比べて、早期皮膚障害の中でも特に問題となる「湿性落屑(水ぶくれ、潰瘍)」の発現を有意に減少させたことが219日付けのJournal of Clinical Oncology誌オンライン速報版に発表された。

対象

手術療法を施行した乳がん 358

比較

1)      IMRT群:強度変調放射線療法(Intensity-Modulated Radiation)

2)      従来群:従来の放射線療法

試験デザイン

無作為化比較試験、二重盲検比較試験

結果

l  IMRT群で線量分布が有意に改善した

l  湿性落屑の発現率

Ø  31.2%IMRT群)vs 48.8%(従来群)

l  多変量解析の結果、湿性落屑の減少にはIMRTの施行(p=0.003)と小さい乳房のサイズ(p<0.001)が関連していた

l  IMRTによって疼痛、QOLに対して有意な改善がみられなかった

l  湿性落屑の発現は、疼痛(p=0.002)QOLの低下(p=0.003)と有意な相関が認められた

 

J Clin Oncol. 2008 Feb 19

 

 

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2008年3月14日 (金)

タモキシフェン投与終了から3年経ってもフェマーラを投与する価値あり

早期乳がんの術後補助療法としてタモキシフェンの5年投与終了数年後、フェマーラ®の投与を開始しても無病生存率が改善することが310日付けJournal of Clinical Oncology誌オンライン速報版にて発表された。

対象

術後補助療法としてタモキシフェンの5年投与終了数年後、MA-17試験においてプラセボ群に割り付けられ2.8年間(中央値)プラセボを投与された乳がん 2,383

比較

MA-17試験におけるプラセボ群に割り付けられた患者に対して希望者にフェマーラ