2008年4月12日 (土)

「がん」で亡くなる人が多いのは何県?

厚生労働省は9日、『都道府県別死因の分析結果について』発表した。その中で「がん」については胃がん、肺がん、大腸がん、肝がん、子宮がん、乳がん、前立腺がんについて発表されていたので、その内容を紹介する。多い都道府県としては青森県など東北地方の県が、少ない都道府県としては鹿児島県など九州地方南部が目立つ。

多い都道府県

少ない都道府県

胃がん

1

秋田県

秋田県

1

沖縄県

沖縄県

2

山形県

富山県

2

鹿児島県

鹿児島県

3

茨城県

山形県

3

熊本県

大分県

肺がん

1

和歌山県

北海道

1

長野県

長野県

2

北海道

大阪府

2

宮崎県

山梨県

3

京都府

福岡県

3

神奈川県

高知県

大腸がん

1

青森県

青森県

1

熊本県

熊本県

2

秋田県

佐賀県

2

岡山県

愛媛県

3

東京都

東京都

3

長野県

三重県

肝がん

1

福岡県

佐賀県

1

岩手県

沖縄県

2

佐賀県

福岡県

2

沖縄県

秋田県

3

広島県

大阪府

3

新潟県

富山県

子宮がん

1

熊本県

1

富山県

2

埼玉県

2

福井県

3

福岡県

3

石川県

乳がん

1

東京都

1

三重県

2

青森県

2

鹿児島県

3

愛媛県

3

広島県

前立腺がん

1

宮城県

東京都

1

徳島県

三重県

2

岩手県

青森県

2

石川県

鹿児島県

3

青森県

愛媛県

3

富山県

広島県

 

厚生労働省 『都道府県別死因の分析結果について』

 

 

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2008年4月 7日 (月)

がん治療の進歩(2008年1-3月)

20081月から3月にかけて人類は、「がん」に対する新たな治療の選択肢を手に入れた。

対象

新たなカード

出典

乳がん

HER-2陽性乳がん

(アジュバント)

【適応拡大】ハーセプチン

中外製薬 

プレスリリース

早期乳がん

(アジュバント)

放射線療法 (40Gy)

Lancet 2008;371: 1098-1107

ホルモン感受性なし乳がん(アジュバント)

多剤化学療法

Lancet 2008; 371: 29-40

高リスク早期乳がん

(アジュバント)

AC系製剤+タキサン系製剤

JCO 2008;357: 44-53

HER-2陽性乳がん

(アジュバント)

AC系を含む化学療法

JNCI 2008:100: 14-20

リンパ節転移乳がん

AC系→タキソテール→CMF

JNCI 2008;100: 121–133

がん

Stage IIIB/IV非小細胞肺がん (1st line

タキソール+パラプラチン毎週投与

JCO 2008; 26: 468-473

大腸がん

切除可能肝転移大腸がん(ネオアジュバント)

FOLFOX4+肝切除

Lancet 2008; 371: 1007-1016

胃がん

進行胃がん

シスプラチン+TS-1

Lancet Oncol 2008;9: 215-221

膵がん

転移性膵頭部がん

(アジュバント)

ジェムザール+放射線化学療法

JAMA 2008; 299: 1019-1026

食道がん

進行食道がん(1st line

ファルモルビシン+エルプラット+ゼローダ

NEJM 2007;358: 36-46

転移性食道がん

5-FUロイコボリンエルプラット

JCO 2008;26: 1435-1442

食道がん(アジュバント)

化学放射線療法

JCO 2008;26: 1086-1092

血液がん

高齢の非ホジキンリンパ腫

B細胞腫瘍)

R-CHOP-14 6サイクル

Lancet Oncol 2008; 9:105-116

骨肉腫

非転移骨肉腫

シスプラチン+アドリアシン+メトトレキサート+ムラミル

JCO 2008;26: 633-638.

 

 

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2007年11月19日 (月)

がん検診受診は3割台-重要性の認識と実態の格差が浮き彫りに-

内閣府は、1110日付で初めての「がん対策に関する世論調査」を発表した。これによると、がん検診を「重要と思う」と答えた人が94.7%に上る一方、過去2年以内に実際に検診を受けたとする人は、いずれのがんにおいても30%台にとどまることが分かった。

調査は今回が初めて。今年9月、全国の20歳以上の男女3,000人を対象に面接方式で実施し、1,767人から回答を得た(回答率:59%)。

過去2年以内の受診率は、肺がんの39.2%が最も高く、次いで子宮がん(女性のみ)39.0%、胃がん37.5%、乳がん32.4%(女性のみ)、大腸がん32.4%の順になった。

1年以内に受診

2年以内に受診

2年以上前に受診

今までに受けたことがない

わからない

胃がん

29.5%

7.9%

15.9%

46.2%

0.4%

肺がん

34.7%

4.5%

8.0%

52.9%

0.8%

大腸がん

27.1%

5.3%

12.0%

54.7%

0.9%

子宮がん

29.1%

9.8%

22.4%

37.9%

0.7%

乳がん

23.7%

8.8%

16.3%

50.2%

1.2%

その他

9.1%

1.4%

3.7%

78.7%

7.2%

内閣府ホームページより

国の指針によると、肺がん、胃がん、大腸がんは「40代から毎年受診することが望ましい」とされているが、この指針に照らすと、40代で「1年以内に受診した」と答えた人は肺がん48%、胃がん43%、大腸がん40%にとどまった。

今までに一度も検診を受けていない人の割合は、大腸がん54.7%、肺がん52.0%、乳がん50.2%、胃がん46.2%、子宮がん37.9%

今回の調査結果からがん検診の必要性を認識しながら必ずしも受診に結び付いていない実態が浮き彫りになった。厚生労働省がん対策推進室は「現状を重く受け止め、検診を受けてもらうための態勢づくりを進めたい」としている。

内閣府大臣官房政府広報室 『がん対策に関する世論調査』

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2007年10月29日 (月)

抗がん剤による貧血対策は早めが良い

化学療法による貧血への対応として、欧米では赤血球造血刺激薬(エポジン®など)の投与が一般的である。赤血球造血刺激薬投与のタイミングとして、ヘモグロビン値が10g/dL以下になってから投与するより、化学療法開始時から投与を開始する方が、ヘモグロビン減少の発現率、輸血が必要な患者の減少、ヘモグロビン濃度の目標レベルへの到達・管理の面から優れているという結果がOncologist10月号に掲載された。

対象

ヘモグロビン濃度が10.5g/dL以上、12.0g/dLの化学療法試行中の患者 201

比較

1)        即時群:即時にネスプ®300μg3週毎に投与

2)        観察群:ヘモグロビン濃度が10g/dL未満になってからネスプ®300μg3週毎に投与

試験デザイン

無作為化比較試験

結果

l  ヘモグロビン濃度が10g/dL未満に減少した患者

Ø  即時群:29% vs 観察群:65%

l  結局、観察群のうち64例がネスプ®を投与することになった

l  輸血を必要とした患者

Ø  即時群:14% vs 観察群:31%

l  ヘモグロビン濃度が目標レベル(11g/dL)に達した患者

Ø  即時群: 94%(2週時) vs 観察群:73%(6週時)

[私説]

欧米では化学療法による貧血への対して、赤血球造血刺激薬の投与が一般的である。ASCOのガイドラインでは、「がん化学療法後、ヘモグロビン濃度10g/dL以下になった場合、赤血球造血刺激薬投与が推奨される」としているが、「ヘモグロビン濃度1012g/dLの場合は、状況により判断する」と明確にされていない。本試験の結果からヘモグロビン濃度1012g/dLの場合も赤血球造血刺激薬の投与を支持する結果と言える。

日本では、がん化学療法に伴う貧血に対する赤血球造血刺激薬の投与は承認すらされていない。エポジン®が先日、承認申請を取り下げたばかりだ(詳しくはこちら)。

持続型赤血球造血刺激薬であるネスプ®については、腎性貧血治療剤として200779日にキリンファーマより発売された(→キリンファーマ プレスリリース)。同社によると、がん化学療法に伴う貧血を対象とした臨床試験も実施しているようだ。

Oncologist. 2007;12:1253-1263.

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2007年10月16日 (火)

オリンパス、超早期がん発見めざした「分光ビデオ内視鏡システム」技術を開発

オリンパス社は、15日、粘膜内部にとどまっている大きさ2mm以下の『超早期がん』を発見するための「分光ビデオ内視鏡システム」技術を開発したことを発表した。

同システムは、先端部外径10mmのビデオスコープの先端部に直径6.9mmの世界最小の「小型分光素子」を搭載しており、通常観察される白色光に加え、600800nmの波長帯域でがんに関連する複数の分子情報を検出することが可能。

2013年度に臨床試験の開始を目指すとしている。

リンパス ニュースリリース

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2007年10月 9日 (火)

がん5年生存率、公表される

「全国がんセンター協議会」(全がん協、30病院)は4日、加盟施設のがん患者の5年生存率を、ホームページ上で発表した。1999年に初回の入院治療を受けたがん患者の治療成績について、がんの進行度に応じた症例数や生存率をまとめた。

このうち同意を得られた15施設については施設名を公表した。同ページでは施設ごとの治療成績も公表しているが、年齢や病気の進行状況など、病院によって事情の違いがあるため、病院の優劣を決めるランキングではないことの注意を喚起してる。

全症例

食道がん

37.1%

(n=2,596)

79.5%

(n=348)

42.4%

(n=326)

22.8%

(n=447)

7.9%

(n=398)

胃がん

74.2%

(n=12,753)

98.7%

(n=6,138)

72.5%

(n=896)

43.2%

(n=1,331)

6.2%

(n=1,897)

結腸がん

75.5%

(n=4,009)

99.0%

(n=895)

92.6%

(n=772)

75.7%

(n=1,118)

17.0%

(n=731)

直腸がん

75.8%

(n=2,520)

95.4%

(n=608)

87.2%

(n=477)

71.6%

(n=737)

15.8%

(n=377)

肝がん

49.0%

(n=3,353)

55.9%

(n=437)

42.9%

(n=656)

22.6%

(n=568)

10.2%

(n=666)

肺がん

62.1%

(n=4,645)

76.5%

(n=3,020)

45.3%

(n=646)

18.4%

(n=2,681)

3.1%

(n=2,443)

乳がん

86.6%

(n=10,021)

98.5%

(n=2,709)

91.4%

(n=4,281)

71.9%

(n=1,001)

29.4%

(n=463)

子宮頸がん

74.6%

(n=2,638)

92.1%

(n=1,137)

69.8%

(n=477)

48.9%

(n=428)

17.2%

(n=151)

前立腺がん

83.1%

(n=1,939)

100.0%

(n=117)

98.4%

(n=284)

99.6%

(n=241)

47.8%

(n=432)

全国がんセンター協議会ホームページより   

いずれのがんも遠隔転移が認められるstage5年生存率は極端に悪く、いかに早期発見が重要か改めて再認識させられる。特に患者数も多く、5年生存率が低い肺がんについては、日々有効な治療法の確立のために多くの臨床試験が実施されており、転移性肺がんに対して従来の標準治療を凌ぐ新たな治療法の発見が待たれる。

施設一覧

1)    北海道がんセンター

2)    宮城県立がんセンター

3)    山形県立中央病院

4)    栃木県立がんセンター

5)    茨城県立中央病院

6)    群馬県立がんセンター

7)    千葉県がんセンター

8)    国立がんセンター中央病院

9)    神奈川県立がんセンター

10)  新潟県立がんセンター新潟病院

11)  福井県立病院

12)  大阪府立成人病センター

13)  兵庫県立がんセンター

14)  呉医療センター

15)  四国がんセンター

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2007年9月23日 (日)

国内未承認薬

がんに関連する医薬品において、下記の薬剤が厚生労働省の未承認薬使用問題検討会議で取り上げられている。

領域

対象疾患

一般名

海外販売名

胸部-肺、縦隔

悪性胸水

タルク(talc)

Sclerosol, Sterile Talc Powder, Steritalc

消化器-胃

消化管間質腫瘍

スニチニブ(sunitinib)

Sutent

消化器-大腸

転移性結腸・直腸癌

セツキシマブ(cetuximab)

Erbitux

肝・胆・膵

膵島細胞癌

ストレプトゾシン(streptozocin)

Zanosar

泌尿器

進行性腎細胞癌

スニチニブ(sunitinib)

Sutent

ソラフェニブ(sorafenib)

Nexavar

婦人科

再発卵巣癌

リポソーマルドキソルビシン(Doxorubicin hydrochloride)

ドキシル®

骨・筋肉

血液・リンパ

皮膚T細胞性リンパ腫

ボリノスタット(vorinostat)

Zolinza

B細胞性慢性リンパ性白血病

アレムツズマブ(alemtuzumab)

Campath

B細胞性非ホジキンリンパ腫

イブリツモマブチウキセタン(ibritumomab tiuxetan)

Zevalin

トシツモマブ(tositumomab)

Bexxar

多発性骨髄腫

サリドマイド(thalidomide)

Thalomid

急性リンパ芽球性白血病

ペグアスパラガーゼ(pegaspargase)