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2008年1月29日 (火)

早期乳がんにおいて乳房温存術と乳房切除術の長期予後は変わらない

Stage I-II 乳がんにおいては、乳房切除術より乳房温存術を支持するメタアナリシスの結果が110日付けのAnnals of Oncology誌オンライン速報版に発表された。この18の無作為化比較試験に参加した9,388例の乳がん患者さんのデータを解析した結果によると、乳房温存術を受けた患者さんと乳房切除術を受けた患者さんで全生存率、局所再発率はほとんど変わらなかった。

対象

Stage I-II 乳がん 9,388

比較

1)      乳房温存術

2)      乳房切除術

解析デザイン

18の無作為化比較試験のメタアナリシス

結果

q  3,5,10,15,20年生存率は同等

q  3,5,15,20年局所再発率は同等であったが、10年局所再発率は乳房温存術で有意に高かった

q  腫瘍径が2cm以下の乳がんでは、20年局所再発率が乳房温存術で有意に高かった

Ann Oncol. 2008 Jan 10

 

 

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腎細胞がんに対するネフロン温存術

腎細胞がんに対するネフロン温存術と腎摘出術を比較した試験において併発症に関する結果がUrology Oncology1-2月号に発表された。この報告によると、ネフロン温存術は併発症がやや多かったが安全な手術であることが確認された。

対象

対側腎が正常な5cm以下のN0M0腎細胞がん 541

比較

1)      NSS:ネフロン温存術 268

2)      RN:腎摘出術 273

試験デザイン

無作為化比較試験、第III相試験

結果

併発症に関する報告

q  術野周辺の失血 87.2%(NSS) vs 96.0%(RN)

q  重篤な出血 3.1%(NSS) vs 1.2%(RN)

q  尿瘻の発生 4.4%(NSS)

q  肋膜損傷 11.5%(NSS) vs 9.3%(RN)

q  脾臓障害 0.4%(NSS) vs 0.4%(RN)

q  術後のCTスキャンにおける異常 5.8%(NSS) vs 2.0%(RN)

q  併発症のために必要となった再手術 4.4%(NSS) vs 2.4%(RN)

Urol Oncol. 2008 Jan-Feb;26(1):101-102.

 

 

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2008年1月28日 (月)

高齢の非小細胞肺がんに対しては標準療法にアバスチンを追加してもメリットが少ないかも

高齢の非小細胞肺がんにおいてタキソール®+パラプラチン®に、アバスチン®を加えた3剤併用療法は、タキソール®+パラプラチン®2剤併用療法より全生存期間の改善が認められず、重篤な毒性を発現しやすい可能性が無作為化比較試験ECOG4599試験のレトロスペクティブ解析より示唆された。この結果は、Journal of Clinical Oncology11日号に掲載された。

対象

高齢進行非小細胞肺がん 224

比較

1)      PCBレジメン

タキソール®+パラプラチン®+アバスチン®

2)      PCレジメン

タキソール®+パラプラチン®

試験デザイン

無作為化比較試験

試験名:ECOG4599

ECOG4599試験に参加した非小細胞肺がん患者さんのうち、試験参加時に70歳以上だった高齢者の層別解析

結果

l  奏効率

Ø  PCBレジメン(29%) vs PCレジメン(17%)p=0.067

l  無増悪生存期間

Ø  PCBレジメン(5.9ヵ月) vs PCレジメン(4.9ヵ月)p=0.063

l  全生存期間

Ø  PCBレジメン(11.3ヵ月) vs PCレジメン(12.1ヵ月)p=0.4

l  毒性(grade3-5)

Ø  PCBレジメン(87%) vs PCレジメン(61%)p<0.001

l  化学療法に関連した死亡

Ø  PCBレジメン(7) vs PCレジメン(2)

l  高齢者では若年者に比べ、PCBレジメンによるgrade3-5の好中球減少、出血、蛋白尿が多く発現した。

J Clin Oncol 2008;26:60-65

 

 

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2008年1月27日 (日)

FLIRIレジメンは転移性大腸がんの無増悪生存期間をLV5FU2-IRIと同程度延長させる

転移性大腸がんにおいてFLIRIレジメンは、LV5FU2-IRIと同程度の無増悪生存期間、全生存期間を示したことが、121日付けのAnnals of Oncology誌オンライン速報版に発表された。

対象

転移性大腸がん 568

比較

1)      FLIRI

1日目、カンプト® 180mg/m2

12日目にかけて5-FU® 500mg/m2ボーラス投与+ロイコボリン® 60mg/m2

2)      LV5FU2-IRI

1日目、カンプト® 180mg/m2

12日目にかけてde Gramont療法(ロイコボリン® 200mg/m25-FU® ボーラス400mg/m2投与後、5-FU® 600mg/m2 持続静注)

試験デザイン

無作為化比較試験、第III相試験

結果

l  無増悪生存期間(中央値)

Ø  両レジメンとも9ヵ月(p=0.22

l  全生存期間(中央値)

Ø  両レジメンとも19ヵ月(p=0.9

l  奏効率

Ø  LV5FU2-IRIレジメンが有意に良好(p=0.001)

Ø  FLIRI(35%) vs LV5FU2-IRI(49%)

l  Grade3/4 好中球減少

Ø  FLIRIレジメンで有意に高頻度に発現(p=0.01)

Ø  FLIRI(11%) vs LV5FU2-IRI(5%)

l  Grade2 脱毛

Ø  FLIRIレジメンで有意に高頻度に発現(p=0.002)

Ø  FLIRI(18%) vs LV5FU2-IRI(9%)

l  60日死亡率

Ø  FLIRI(2.4%) vs LV5FU2-IRI(2.1%)

Annals of Oncology Advance Access published online on January 21, 2008

 

 

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2008年1月26日 (土)

ネクサバールの肝細胞癌に対する適用が優先審査対象として指定

24日、バイエル薬品は、ネクサバール®錠(一般名:ソラフェニブ)の肝細胞癌に対する製造販売承認申請が111日付けて優先審査の対象となった旨の通知を厚生労働省から受領したことを発表した。

ネクサバール®は日本において2006629日に腎細胞癌を適用とした製造販売承認申請を行い、20079月に肝細胞癌への適用を追加申請している()

肝細胞がんを対象として欧米で実施された第III相臨床試験(SHARP試験)の結果が20076月に開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO)年会で公表されている。この試験では、ネクサバール®を服用した肝細胞がんの全生存期間(中央値)が、プラセボと比較して、44%延長(HR=0.69p=0.0006)したことが示された。

この結果を基に、欧米では20076月に肝細胞癌への適用追加を行い、10月に欧州()11月に米国()で承認を得た。現在、30ヵ国以上で肝細胞癌への適用が承認されている。

バイエル薬品 プレスリリース

 

 

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2008年1月24日 (木)

放射線療法へのホルモン療法の併用効果は、併発症のない限局性前立腺がんに限定されるのか

高リスクの限局性前立腺がんにおいて放射線療法単独より、放射線療法とホルモン療法の併用療法が生存率を改善することはこれまでに報告されてきたが、この有効性は併発症がない、または軽度の患者さんに限定されるかもしれないことがJAMA123日号に発表された。著者はこの知見について、結論付けるにはさらなる評価が必要と述べている。

対象

高リスクの限局性前立腺がん 206

比較

1)      放射線療法+ホルモン療法(6ヵ月間)

2)      放射線療法単独

試験デザイン

無作為化比較試験

結果

l  追跡期間(中央値):7.6年間

l  全症例における解析

Ø  8年生存率

放射線療法+ホルモン療法:74% vs 放射線療法単独:61%

Ø  全死亡者数

q  放射線療法+ホルモン療法:30

q  放射線療法単独:44

ハザード比:1.8(95%信頼区間:1.1-2.9p=0.01)

Ø  前立腺がん特異死亡者数

q  放射線療法+ホルモン療法:4

q  放射線療法単独:14

ハザード比:4.1(95%信頼区間:1.4-12.1p=0.01)

l  併発症なしまたは軽度の併発症を有する症例における解析(n=157)

Ø  8年生存率

放射線療法+ホルモン療法:90% vs 放射線療法単独:64%

Ø  全死亡者数

q  放射線療法+ホルモン療法:11

q  放射線療法単独:31

ハザード比:4.2(95%信頼区間:2.1-8.5p<0.001)

l  中等度または重度の併発症を有する症例における解析(n=49)

Ø  8年生存率

放射線療法+ホルモン療法:25% vs 放射線療法単独:54%

Ø  全死亡者数

q  放射線療法+ホルモン療法:19

q  放射線療法単独:13

ハザード比:0.54(95%信頼区間:0.27-1.10p=0.08)

 

JAMA 2008;299:288-295

 

 

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2008年1月23日 (水)

ネクサバール投与においては高血圧発症に注意

ネクサバール®が投与された場合、高血圧の発症リスクが有意に高まることがこれまでの試験のメタアナリシスから明らかになり、122日付けのLancet Oncology誌オンライン速報版に発表された。ネクサバール®は腎細胞がん、肝細胞がんに期待されている治療薬であるが、投与に際しては心血管疾患を予防するために適切なモニタリングと積極的な降圧療法が薦めている。

対象

ネクサバール® 400mg12回投与された腎細胞がんおよびその他の固形がん

解析デザイン

ネクサバール®を用いた4,599例の腎細胞がんおよびその他の固形がんを含む9つの試験が20061月から20077月までに発表された。これらのメタ解析。

結果

l  ネクサバール®投与例で対照群に比べ6.11倍高血圧の発症リスクが高かった(95%信頼区間:2.44-15.32p<0.001)

l  ネクサバール投与例における高血圧(grade1-4)の発症率 23.4%

l  ネクサバール®投与例における高血圧(grade3-4)の発症率 5.7%

l  ネクサバール®投与例における高血圧発症リスクは、腎細胞がんとその他の悪性腫瘍の間で差は認めなかった。

Ø  腎細胞がんにおける高血圧(grade1-4)発症リスク 1.03(95%信頼区間:0.73-1.45p=0.89)

Ø  腎細胞がんにおける高血圧(grade3-4)発症リスク 1.23(95%信頼区間:0.76-1.99p=0.40)

The Lancet Oncology Early Online Publication, 22 January 2008

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2008年1月22日 (火)

進行非小細胞肺がんのタキソール+パラプラチン併用は3週毎より毎週投与を

未治療の進行非小細胞肺がんに対して、タキソール® 100mg/m2 毎週投与+パラプラチン®の併用療法を、タキソール® 225mg/m2+パラプラチン®の併用療法と比較した結果、有効性で同等であり、非血液毒性は少なかったことがJournal of Clinical Oncolgy120日号に発表された。この結果より、タキソール®の毎週投与が標準療法であるタキソール®3週毎投与に代わり得ると著者は結論付けている。

対象

stage IIIB/IV 未治療非小細胞肺がん 444

比較

1)      毎週投与群:タキソール®100mg/m2 1回投与を3週連続し、1週間休薬+パラプラチン®11AUC=6mg/mL・分を投与し、4週間休薬

2)      3週毎投与群:タキソール® 225mg/m2+パラプラチン® AUC=6mg/mL・分を投与し、3週間休薬

   4サイクル終了後、有用性を評価し、引き続きタキソール® 70mg/m21回投与を3週連続し、1週間休薬

試験デザイン

無作為化比較試験、第III相試験

結果

l  奏効率

Ø  毎週投与群:27.6% vs 3週毎投与群:19.2%

l  治療効果持続期間

Ø  毎週投与群:18.4ヵ月vs 3週毎投与群:16.7ヵ月

l  全生存期間

Ø  毎週投与群:38.6ヵ月vs 3週毎投与群:42.9ヵ月

l  毎週投与群でGrade3/4の貧血が多く、Grade2/3の神経障害、関節痛は少なかった。その他の毒性は同程度。

J Clin Oncol 2008; 26: 468-473

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2008年1月17日 (木)

標準化学療法で進行した乳がんにはゼローダ単独よりもゼローダとタイケルブの併用を選択せよ

標準化学療法で進行したHER2 陽性進行乳がんにおいて、タイケルブ®とゼローダ®の併用がゼローダ®単独よりも治療効果持続期間が優れている結果が111日付けのBreast Cancer Research and Treatment誌オンライン速報版にて発表された。この結果は2006年にNew Englad Journal of Medicineに発表された結果の最新報告。

対象

アンスラサイクリン系薬剤、タキサン系薬剤、ハーセプチン®による治療後に進行したHER2陽性局所進行性または転移性乳がん 399

比較

1)      タイケルブ® 1,250mg/(連日投与)+ゼローダ® 2,000mg/m2 (21 日サイクルの 114 日目に投与)

2)      ゼローダ® 2,500mg/m2 (21 日サイクルの 114 日目に投与)

試験デザイン

無作為化比較試験、第III相試験

結果

l  治療効果持続期間

Ø  ハザード比:0.57(95%信頼区間:0.43-0.77p<0.001)

l  全生存期間

Ø  ハザード比:0.78(95%信頼区間:0.55-1.12p=0.177)

l  治療前の血清中HER2細胞外ドメインはタイケルブ®の効果と関連性が認められなかった

Breast Cancer Res Treat. 2008 Jan 11

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2008年1月16日 (水)

B細胞腫瘍にはR-CHOPの6サイクルが最適

CHOP-14レジメン(6サイクル)にリツキサン®を加えたR-CHOP-14レジメン(6サイクル)B細胞腫瘍における無イベント生存率および全生存率を改善することが115日付けのLancet Oncology誌オンライン速報版で発表された。

対象

高齢の非ホジキンリンパ腫(B細胞腫瘍) 1,222

比較

1)      6サイクルCHOP-14

2)      8サイクルCHOP-14

3)      6サイクルR-CHOP-14

4)      8サイクルR-CHOP-14

    CHOP:エンドキサン®+アドリアシン®+オンコビン®+プレドニン®

    R-CHOPCHOP+リツキサン®

    CHOP-14CHOP14日ごと投与

    R-CHOP-14R-CHOP14日ごと投与

試験デザイン

無作為化比較試験

試験名:RICOVER-60

結果

l  3年無イベント生存率

Ø  6サイクルCHOP-14群:47.2%

Ø  8サイクルCHOP-14群:53.0%5.8%改善 vs 6サイクルCHOP

Ø  6サイクルR-CHOP-14群:66.5%19.3%改善 vs 6サイクルCHOP

Ø  8サイクルR-CHOP-14群:63.1%15.9%改善 vs 6サイクルCHOP

l  3年生存率

Ø  6サイクルCHOP-14群:67.7%

Ø  8サイクルCHOP-14群:66.0%-1.7%改善 vs 6サイクルCHOP

Ø  6サイクルR-CHOP-14群:78.1%10.4%改善 vs 6サイクルCHOP

Ø  8サイクルR-CHOP-14群:72.5%4.8%改善 vs 6サイクルCHOP

l  3年無イベント生存率における相対危険度( vs 6サイクルCHOP-14)

Ø  8サイクルCHOP-14群:0.76(95%信頼区間:0.60-0.95p=0.0172)

Ø  6サイクルR-CHOP-14群:0.51(95%信頼区間:0.40-0.65p<0.0001)

Ø  8サイクルR-CHOP-14群:0.54(95%信頼区間:0.43-0.69p=0.0172)

l  3年生存率における相対危険度( vs 6サイクルCHOP-14)

Ø  8サイクルCHOP-14群:0.63(95%信頼区間:0.46-0.85p=0.0031)

Ø  6サイクルR-CHOP-14群:0.50(95%信頼区間:0.38-0.67p<0.0001)

Ø  8サイクルR-CHOP-14群:0.59(95%信頼区間:0.45-0.77p=0.0001)

The Lancet Oncology Early Online Publication, 15 January 2008

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2008年1月11日 (金)

リンパ節陽性乳がんでは、タキソテールはアンスラサイクリン系薬剤と同時ではなく、引き続いて投与せよ

リンパ節転移陽性乳がんでは、タキソテール®をアンスラサイクリン系薬剤と同時併用するのではなく、アンスラサイクリン系薬剤に引き続いてのタキソテール®を投与することによって無病生存率の改善が期待できることが18日付けのJournal of the National Cancer Institute誌オンライン速報版にて発表された。

対象

リンパ節転移陽性乳がん 2,887

比較

1)      A→CMF群:アドリアシン® 75mg/m2 4サイクル→CMF* 3サイクル

2)      AC→CMF群:アドリアシン® 60mg/m2+エンドキサン® 600mg/m2 4サイクル→CMF* 3サイクル

3)      A→T→CMF群:アドリアシン® 75mg/m2 4サイクルタキソテール® 100mg/m2 3サイクル→CMF* 3サイクル

4)      AT→CMF群:アドリアシン®  50mg/m2+タキソテール® 75mg/m2 4サイクル→CMF* 3サイクル

* CMF:エンドキサン®+メソトレキセート®5-FU®

試験デザイン

無作為化比較試験

試験名:BIG 02-98

結果

l  5年無病生存率