17.その他の悪性腫瘍

2008年4月 7日 (月)

悪性胸膜中皮腫の2nd line治療としてのアリムタ

アスベストとの関連で論じられることが多い悪性胸膜中皮腫であるが、日本においては20071月にその治療薬としてアリムタ® が承認された。さて、Journal of Clinical Oncology41日号にはアリムタ® の進行性悪性胸膜中皮腫に対する2nd line治療としての有用性が発表された。それによると、奏効率を改善し、イベント発現までの期間を延長したが、生存期間の有意な延長は認められなかった。

対象

化学療法を施行したことがある進行性悪性胸膜中皮腫 243

2nd line

比較

1)      アリムタ® 500mg/m2best supportive care(BSC)

2)      BSC

試験デザイン

無作為化比較試験、第III相試験

結果

l  全生存期間

Ø  アリムタ®BSC8.4ヵ月 vs BSC9.7ヵ月(p=0.74

l  奏効率(PD)

Ø  アリムタ®BSC18.7% vs BSC1.7%p<0.001

l  病勢コントロール率(PD+SD)

Ø  アリムタ®BSC59.3% vs BSC19.2%p<0.001

 

J Clin Oncol 2008;26:1698-1704

 

 

2008年3月15日 (土)

骨肉腫に対するムラミルの追加投与によって生存率が改善

転移が認められない骨肉腫に対し、手術後、シスプラチン+アドリアシン®+メトトレキサートを投与するレジメンが標準的であるが、このレジメンにムラミル・トリペプチド(MTP)を加えることで無イベント生存率は改善傾向に留まったものの、生存率が有意に改善したことがJournal of Clinical Oncology21日号に発表された。

対象

転移が認められない骨肉腫 662

比較

1)      シスプラチン+アドリアシン®+メトトレキサート+MTP+イホマイド®

2)      シスプラチン+アドリアシン®+メトトレキサート+MTP

3)      シスプラチン+アドリアシン®+メトトレキサート+イホマイド®

4)      シスプラチン+アドリアシン®+メトトレキサート

試験デザイン

無作為化比較試験、2 x 2 factorial design

結果

l  無イベント生存率

どのレジメンも同程度であったが、MTPが追加されたレジメンで良好な傾向(p=0.08

l  6年生存率

Ø  78%MTP群) vs 70%(非MTP群)、p=0.03

Ø  ハザード比:0.71(95%信頼区間:0.52-0.96)

 

J Clin Oncol. 2008;26:633-638.

 

 

2008年2月 2日 (土)

GISTにおけるグリベックは1日1回400mg投与が良い

切除不能または転移性消化管間質腫瘍におけるグリベック®の用量について現在の標準用量である11400mgの投与が良いようだ。グリベック®1400mg12回投与しても標準用量である1回投与を超える効果が得られないことがJournal of Clinical Oncology21日号に発表された。この結果は2004年と2005年のASCOにて発表されたものが論文掲載されたもの。

対象

切除不能または転移性消化管間質腫瘍(GISTGastrointestinal Stromal Tumors) 746

比較

1)      標準用量群:グリベック® 400mg×1/

2)      高用量群:グリベック® 400mg×2/

試験デザイン

無作為化比較試験、第III相試験

結果

l  追跡期間(中央値):4.5

l  奏効率、無増悪生存期間、全生存期間に両群間で有意な差は認められなかった

l  無増悪生存期間

Ø  標準用量群:18ヵ月 vs 高用量群:20ヵ月

l  全生存期間

Ø  標準用量群:55ヵ月 vs 高用量群:51ヵ月

l  grade3-5の毒性は高用量群でより多く発現した

J clin Oncol 2008;26:626-632